グリーン・グリーン 完結編 | 那須日記ブログ編

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折々に触れて感じたことを、そこはかとなく書き綴るページ「那須日記」のブログです。日々の仕事や生活から考えたことを、日記・エッセイ風に記していきます。

「saku saku」が始まるまでの時間を見計らって更新します。ここのところ、TVQでは野球中継のために「saku saku」の放送時間が遅れる、ということがありましたが、今日は大丈夫。DVD録画をしつつ、番組に備えています。


それはさておき、遅くなってしまった「グリーン・グリーン」の謎について書きます(初回はこちら )。

「シリーズ・インタヴュー 音楽を語ろう」(教育芸術社)中の、片岡輝さん(「グリーン・グリーン」の訳詞家、というか作詞家)の発言を(大分長くなりますが、読みやすいように勝手にこちらで改行しつつ)引用します。



アーティスト: In the Soup, 片岡輝, 高野勲, 中尾諭介
タイトル: グリーン・グリーン


「『グリーングリーン』の場合は、全く私の作詞でして、訳詞ではないんです。当時コラボケールの『パパと踊ろうよ』とかイヴェット・ジローの歌に興味をもっていまして、ジローの歌では男の子とお母さんが世の中の不思議について語り合う内容でした。


そのときふと、日本の歌の中には、親子の心を通わせるような、特にお父さんをテーマにした曲はあまりないなあと思ったんですよ。それで、まずお父さんのことを歌いたいということがあった。それから当時は戦争で父親を亡くす子どもが世界にはたくさんいて、日本では交通戦争が始まって事故死する人が増えたと言う状況がありまして…。


小学生くらいの子どもっていうのは『死』ということに対して大人が考える以上に敏感なんですね。それまでは子どもの歌というとお子様ランチのように『これくらいでいいか』みたいなところがあったんです。もちろん芸術的な面は別としてもテーマという点でね。だから、むしろ父親が子どもに生きるという意味をストレートに話すような歌があってもいいんじゃないかということであの詩ができたんです。


あれを最初に放送したのは『歌のメリーゴーラウンド』の中だったんですけれど、とたんにすごい反響がきましてね、すぐに『みんなのうた』にも取り上げられたし、レコードにしたいという話も出た。何年かたって教科書に載るという話になったとき、どなたからか問い合わせがきたんです。『これはお父さんが戦争に行って死んだんでしょうか』と。『今の日本ではあり得ないことですが、そうでなくても父親を亡くすという状況はあることですし、特にそういう意味ではない。』と私はお答えしたんです。もし反戦歌ですと言っていたら、教科書には載らなかったでしょうね(笑)。


この歌に関してはその後もいろいろ噂があって、このあいだもある小学校の先生から『これはアメリカで無実の罪で処刑された人を歌った歌なんですね。』と聞かれたこともあります。昔、サッコ・バンゼッティ事件というのがありましてね、どうやらその辺と混同されたらしいんですけど。『読み手がどう解釈されるかは自由ですけれども、とにかくそういう事実はありません。』とお答えしました。」



というわけで、読み取り方は自由だそうですが、上記のような背景があったそうです。


結局、この本はあと、指揮者の小林研一郎さんの回くらいしかちゃんと読んでおらず、ちょっともったいない気もしますが、長年の「グリーン・グリーン」の謎が解けたのでコストパフォーマンスは良かったかな、と思っています。



アーティスト: チェコ・フィルハーモニー室内管弦楽団, 斎藤ネコ, マリオ・クレメンス, 江崎昌子, ハンガリー国立管弦楽団, 小林研一郎
タイトル: ホーホケキョとなりの山田くん


ではでは。「saku saku」も始まりましたので、この辺で。